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PCフィラメントとは?

  • フィラメント特性比較

2022.06.21 更新日:2022.06.21

製造業などをはじめとしたさまざまな業界で、3Dプリンターによる造形が普及していることに伴い、多くの種類のフィラメントが次々に登場しました。

強度や耐薬品性、靭性など、フィラメントによって持っている特性は異なりますが、特に耐衝撃性や耐熱性、透明度が高いのが、PCフィラメントです。

PCフィラメントはその特色を生かし、ものづくりの現場で多くのことを可能にしています。

そこで本記事では、PCフィラメントの基本を解説した後、PCフィラメントのメリットや活用範囲などをご紹介していこうと思います。

PCフィラメントの導入をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

PCフィラメントとは

PCフィラメントとは

PCフィラメントとは「ポリカーボネートフィラメント」とも呼ばれており、3Dプリンター用の材料の一つです。
ポリカーボネートとはエンジニアリングプラスチックのことで、これは通常のプラスチックよりも高強度で耐熱性に優れている素材(高機能な素材)になります。
これまでのポリカーボネートは射出成型や切削でしか利用することができない材料でしたが、3Dプリンターのフィラメントとして登場したことによってものづくりの幅が大きく広がっているのです。

PCフィラメントを活用することのメリット

PCフィラメントには造形においてメリットとなる特性が複数あります。
具体的に「耐衝撃性が高い」「耐熱性が高い」「透明度が高い」といったことが挙げられますが、各々詳しく解説します。

耐衝撃性が高い

PCフィラメントは金型などで使用されるポリカーボネート同様、耐衝撃性や強度に優れています。
こういったエンジニアリングプラスチックとしての高い性能は、フィラメント材料の中でトップレベルではないでしょうか。

耐熱性が高い

PCフィラメントのもう一つの特徴としては、耐熱性が高い、ということが挙げられます。
フィラメントの中でもトップレベルの耐熱性を誇っており、110℃程度の熱たわみ温度を持っているのです。
そのため、高耐熱のパーツや機能性テストモデルの造形に向いています。
またその耐熱性の高さから、造形後の研磨なども行うことができます。

透明度が高い

PCフィラメントは他のフィラメントとは違い、透明性を持つフィラメントでもあります。
FDM(熱溶解積層法)の3Dプリンターでは積層跡が残るため、完全な透明を求めることは難しいですが、造形後に研磨などを行うことによって透明度を高めることが可能です。

研磨することによって造形物に魅力的なクリスタルのような輝きを与られる上、ラッカー塗料でクリアコートすればガラスのような透明性を得ることもできます。

PCフィラメントのデメリット

造形において多くのメリットがあるPCフィラメントですが、もちろんデメリットも存在します。
具体的には、PCフィラメントの造形には繊細な設定が求められる点がPCフィラメントのデメリットと言えるでしょう。
PCフィラメントで正しい造形を行うためには、ノズルの温度やプリント速度の丁寧な設定が必要になるため、はじめて3Dプリンターで造形を行うといった方には扱いが少し難しいかもしれません。

PCフィラメント導入初期は、専門家などからのアドバイスをもとに造形を行ったほうがうまくいく場合もあります。

PCフィラメントで可能になること

PCフィラメントは、高い耐衝撃性や耐熱性を持つことから、さまざまなことが可能になります。
主に「強度が必要な造形」「モデルの軽量化」「オンデマンド製造」などが挙げられるため、一つひとつ詳細を解説します。

強度が必要な造形

PCフィラメントは強度に優れていることから、強度や耐衝撃性が求められる造形が可能になります。
一般的なABSフィラメントなどと比較して材料費も高額であることから、特別な機能性を求められるものや固定具などの治具に適しているでしょう。

モデルの軽量化

また、PCフィラメントはパーツを軽量化することも可能です。
従来金属が使用されていたパーツなどをポリカーボネートで作ることで、強度や耐久性を保ったまま軽量にすることができます。
またポリカーボネートは金属よりも材料費が安価であるため、コストの削減も可能になるのです。

オンデマンド製造

PCフィラメントの優れた耐衝撃性、強度、耐熱性は、最終品のオンデマンド製造にも適しています。
3Dプリンターでデータを管理することができるため、必要に応じた数だけパーツを製造することができ、余分な在庫を持つ必要がなくなるのです。
ビジネスの効率化に大きく貢献するでしょう。

PCフィラメントの活用範囲

PCフィラメントは優れた特性をいくつも持ち合わせているため、このフィラメントの活用範囲は広いです。
主要なものは「試作・機能性プロトタイプ」「治具・工具」「最終品」が挙げられるでしょう。

各々について詳しく解説します。

試作・機能性プロトタイプ

PCフィラメントは強度や耐衝撃性、耐熱性に優れた材料であるため、機能性プロトタイプとしての活用に非常に向いています。
機能性プロトタイプとは、見た目だけの形状確認とは異なり、一定の機能性テストに使用するために作られる試作品のことです。
パーツの物性や機械的特性のテストを行うには、PCフィラメントが適しています。

治具・工具

PCフィラメントの優れた物性は、治具や工具などの造形にも適しています。
PCフィラメントはアクリルに匹敵する引張強度を有しているため、強くて硬いと同時にねじり応力に耐える必要のある治具・工具に向いているのです。
こうした性能は、他の熱可塑性樹脂を大きく上回っています。

最終品

PCフィラメントは多くの優れた物性を持っているため、最終品の製造にも活用することができます。
またポリカーボネートの特性として、加工性の高さと光沢がありますが、造形後に研磨や塗装などを行うことでポリカーボネート本来の光沢が表現でき、最終用途部品として使用することができるのです。

PCフィラメントの導入をお考えであれば、日本3Dプリンター株式会社にご相談ください!

PCフィラメントと一口に言っても、その種類は複数存在しますし、各々、どういった物性が特に優れているのかは異なります。
3Dプリンターとの相性もあるため、PCフィラメントの導入をお考えの方の中には、どのようにしてPCフィラメントを選定して良いか迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本3Dプリンター株式会社では、世界有名メーカーの3Dプリンターを複数所持。
実際にさまざまなフィラメントにて造形をした経験から、各種メーカーの3Dプリンターと相性の良いPCフィラメントをご提案することが可能です。

PCフィラメントの選択でお悩みの場合は、ぜひお気軽に日本3Dプリンター株式会社までお問い合わせください。

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