ものづくりの現場を中心に3Dプリンターが広く普及し始めてから、さまざまなモデルを容易に造形できるようになりました。
そんな3Dプリンターの造形で必要不可欠なのが、「フィラメント」です。
フィラメントにも多くの種類が存在しますが、耐久性や耐熱性が高く、広い分野で活用されているのが「PAフィラメント」というもの。
そこで本記事では、PAフィラメントとはどういったものなのかといったことを解説した後、PAフィラメントのメリットやデメリット、PAフィラメントを使用することで可能になることなどをご紹介していきます。
PAフィラメントの導入をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
目次
PAフィラメントとは
PAフィラメントとは「ナイロン(ポリアミド)フィラメント」とも言われており、その名の通りナイロン素材でできています。3Dプリンター用の材料の中でも高機能で汎用性が高いフィラメントです。
強度や剛性、耐熱性があり、強靭な素材として主にエンジニアリングを目的に使用されます。
後ほど詳しくご紹介しますが、用途も幅広く、強度が求められる治具や工具はもちろん、機能性プロトタイプや最終製品まで網羅できるのがPAフィラメントの特徴です。
PAフィラメントを活用することのメリット
3Dプリンターにおける造形においてPAフィラメントを活用することには、多くのメリットがあります。
具体的には「耐衝撃性が高い」「引張強度が高い」「耐熱性が高い」といったことですが、各々詳しく解説します。
耐衝撃性が高い
PAフィラメントの代表的なメリットは、その高い耐衝撃性でしょう。
熱可塑性樹脂の中ではトップレベルの耐衝撃性を誇ります。
そのため、工業用製品のパーツや治具など、強い衝撃が加わっても問題無いような製品に使われることが多いです。
引張強度が高い
また、PAフィラメントは引張強度にも優れています。
靭性に優れており、PAフィラメントで作られた造形物は柔軟性があるのが特徴。
そのため、簡単に割れることはありません。
耐熱性が高い
PAフィラメントは耐熱性が高いことでも有名です。
PAフィラメントと一口に言ってもさまざまなものが存在しますが、その種類によっては180℃程度までの耐熱性を誇り、高温の環境下でも高い強度を保つことができます。
PAフィラメントのデメリット
造形において多くのメリットがあるPAフィラメントですが、デメリットが一切無いかというと、そうではありません。
PAフィラメントの造形物は高強度で耐熱性に優れていますが、その一方で、材料として非常に吸湿性が高く、保管に際しては十分な乾燥が必要になります。
吸湿によって反りが出やすいため、乾燥しつつ、フィラメントの状態をよく観察しておく必要があるでしょう。
PAフィラメントで可能になること
デメリットがあるとはいえ、それにも勝るメリットを持つPAフィラメントを使用することで可能になることは多くあります。
具体的には、冒頭のほうでもお伝えした「試作・機能性プロトタイプ」「治具・工具」「最終品」などの製造が可能です。
各々について詳しく解説します。
試作・機能性プロトタイプ
PAフィラメントの用途として代表的なものが、機能性プロトタイプです。
機能性プロトタイプは形状の確認はもちろん、強度や耐衝撃性など、パーツの物性に関する試験ができるプロトタイプのことを指します。
特にPAフィラメントは強靭な素材であるため、強度が求められるパーツのプロトタイプに適しているのです。
治具・工具
PAフィラメントが持つ強度や耐衝撃性、靭性などは、治具や工具の造形にも向いています。
治具は生産工程で使用される留め具ですが、これにはまさに強度や耐衝撃性が求められるのです。
PAフィラメントであれば、治具に必要な性能を兼ね備えています。
最終品
PAフィラメントでは最終品を作ることも可能です。
優れた強度や靭性、さらに摩耗特性や耐薬品性を持っていることから、自動車業界や航空産業、軍需産業など、過酷な環境下での使用にも耐える素材として活用されています。
PAフィラメントの活用範囲
PAフィラメントは3Dプリンターの材料としてさまざまな用途で使用されており、活用範囲が幅広いです。
強度や耐衝撃性、靭性などに優れていることから、高機能が求められる場で活用されています。
機能性テスト
3Dプリンター用のPAフィラメントが活用される場面として挙げられるのは、機能性テストパーツの作成です。
機能性テストパーツは形状確認のほか、物理的な試験に耐えうる物性が求められるため、PAフィラメントで行うのが適しています。
オンデマンド製造
PAフィラメントは最終品に求められる強度や耐久性、耐衝撃性を持っていることから、オンデマンド製造も可能です。
設計データをCADで管理し、必要に応じて3Dプリンターでパーツを製造すれば、作業の効率化につながるでしょう。
また、試作品の段階から最終品と同じ材料が使用できることで、設計から製造までを一元管理することも可能になるのです。
カスタマイズ製造
PAフィラメントであれば、多品種少量生産やカスタマイズ製造も可能です。
微妙な形状違いやデザイン違いのパーツもデータ変更を行えばすぐに出力できる上、強度や靭性に優れたPAフィラメントであれば需要に応じたカスタマイズも容易に行えます。
PAフィラメント選びであれば、日本3Dプリンター株式会社にお任せください!
PAフィラメントには強度や耐久性、靭性などの多くのメリットがあるため、ものづくりの現場で導入したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、PAフィラメントにも多くの種類が存在し、各々特色が異なります。
貴社の既存の3Dプリンターと相性のより良いPAフィラメントも存在するため、PAフィラメント選びでお悩みの方は、ぜひ日本3Dプリンター株式会社にご相談ください。
そもそも3Dプリンターが無く、3Dプリンターの導入から検討されたいという方も中にはいらっしゃるかもしれません。
日本3Dプリンター株式会社では、もちろん、3Dプリンター選びのサポートも行っています。
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