BASF社製3Dプリンターフィラメント日本総代理店|日本3Dプリンター株式会社

コラム

3Dプリンターのフィラメントにはどのようなものがある?各社の製品を比較

  • フィラメント特性比較

2021.11.18 更新日:2022.07.21

さまざまな材料で立体物を造形できる3Dプリンター。
特にFFF方式(熱溶解積層法)の3Dプリンターで造形する際に使用する材料のことを「フィラメント」と呼びますが、どのような特徴を持ったものが存在しているのでしょうか。
強度はもちろん、耐薬品性、柔軟性、靭性などの性質があるものまで、さまざまな物性を持つフィラメントで、各社がしのぎを削っています。
この記事では、代表的な4社から販売されているフィラメントをピックアップし、各々の特性についてご紹介していきます。

フィラメントは3Dプリンターに必要不可欠

フィラメントは3Dプリンターに必要不可欠

フィラメントとはFFF方式(熱溶解積層法)の3Dプリンターで使用する材料のことを指します。
主な材質は熱可塑性樹脂となっており、これをノズルの手前に配置したヒーターによる加熱で溶かしてノズルから吐出します。
吐出した樹脂はすでに造形してある下の層の樹脂と接触したり周囲の空気にさらされたりすることで冷やされて固まり、これを繰り返し積み上げていくことで造形していきます。
フィラメントはABSやPLAなどが主流ですが、高価格帯の機種ではより強度や耐熱性などが優れた樹脂なども使用されることが多いです。低価格帯の機種向け樹脂のバリエーションも増えてきており、炭素繊維や金属粉末などを混ぜたフィラメントなども存在しています。
いずれにしても、FFF方式(熱溶解積層法)の3Dプリンターにとってフィラメントは欠かせないものと言えるでしょう。

各社のフィラメントの特徴

各社のフィラメントの特徴

そんな必要不可欠であるフィラメントは、各社からさまざまな特性を持ったものが登場しています。
高強度や耐薬品性といった特性を持ったフィラメントがあるのはもちろん、ある材料に他の物質を含有した複合化材料と呼ばれるものも存在するのです。
ここからは、フィラメントを取り扱う代表的な4社の製品をピックアップしてご紹介いたします。

BASF社

BASF社は、多くのフィラメントを取り扱っている企業です。いくつか代表的なフィラメントをご紹介いたします。

3DプリンターフィラメントUltrafuse®PP

「3DプリンターフィラメントUltrafuse®PP」は高弾性、耐疲労性、耐薬品性、絶縁性を兼ね備えているフィラメントです。
層接着性が非常に高く、形状次第で水濡れのしない造形物を仕上げることも可能。
吸湿性も低く、劣化しにくいという特徴もあるフィラメントです。

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3DプリンターフィラメントUltrafuse® PAHT CF15

「3DプリンターフィラメントUltrafuse® PAHT CF15」の「PAHT」は、「Polyamide High Temperature」となっており高耐熱ポリアミドの略です。
PAをベースにカーボンファイバーを15%含有したフィラメントで、通常のPAよりも高い強度と耐薬品性を持っており、中でも特徴的なのが、耐温150℃という点。
高精度、高強度という特徴から、メーカーでも機械やバイクなどの最終用途部品にまで対応できるスペックを有しています。

3DプリンターフィラメントUltrafuse® PLA Pro1

「3DプリンターフィラメントUltrafuse® PLA Pro1」は、通常のPLAよりも機械的特徴に優れたフィラメントです。
高速造形でも安定した仕上がりが期待でき、生産性の向上が見込める点もメリットです。
通常よりも粘性が高いため、オーバーハングなどの表現も可能になります。 また、高光沢である点も特性の一つで、積層痕が目立ちにくいのも長所と言えるでしょう。

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RAISE3D社

RAISE3D社も、さまざまなフィラメントを取り扱っています。
また日本3Dプリンター株式会社では、RAISE3D社の「RAISE3D日本OFP」で提供しているフィラメントについて保証を行っておりますので、RAISE3D日本OFPのフィラメントをお選びいただいたお客様のサポートすることも可能です。
今回は、RAISE3D社の中でも、RAISE3D日本OFPで取り扱っているフィラメントをご紹介いたします。

Raise3D純正プレミアムPLAフィラメント

「Raise3D純正プレミアムPLAフィラメント」は、Raise3Dプリンターに最適化されたPLAフィラメントです。
PLAフィラメントはもっとも造形しやすいフィラメント材料の一つで、さまざまな用途に利用できます。
特にABSのような反り返りや臭いもなく、比較的大きい造形モデルも反らずにプリント可能です。

Raise3D純正プレミアムPETGフィラメント

「Raise3D純正プレミアムPETGフィラメント」も「Raise3D純正プレミアムPLAフィラメント」同様に、Raise3Dプリンターに最適化されたPETGフィラメントです。
PETGは一般的に使用されているプラスチック材料で、PETの一種でもあります。
Raise3D純正プレミアムPETGフィラメントはABSと同様の強度と耐久性、そして優れた耐熱性を備えているフィラメントです。
また、PLAフィラメントにようにプリントが簡単で、反りの心配もありません。

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Markforged社

Markforged社では、金属やコンポジットベース、連続線維などのフィラメントを取り扱っているため、他社では見つからなかったフィラメントが見つかるかもしれません。

コッパー(銅)

「コッパー(銅)」は、熱伝導性および電気的導電性に最適化された金属が造形できるフィラメントです。通常のフィラメントは仕様が異なり、造形後に脱脂工程、焼結工程を行い最終的な製品に仕上がります。
純銅の熱伝導率と電気伝導率は他に類を見ないほど優れております。

Onyx

「Onyx」はMarkforged社の主力複合基材で、優れた表面仕上げで正確なパーツを造形できるマイクロ炭素繊維充填ナイロンです。
単独で3Dプリントした場合は強い強度、靭性、耐薬品性を発揮し、連続線維と共に使用し強化すれば、アルミニウムの強度に匹敵するパーツを生成することもできます。

Polymaker社

Polymaker社は、抜群の使いやすさ、安定感はもちろん、環境にも配慮したフィラメントを取り扱っている点が特徴のメーカーです。

PolyTerra PLA

「PolyTerra PLA」は、バイオプラスチックをベースに新たに設計された次世代のフィラメントと言って良いでしょう。
プリント中は反らず、ノズルの詰まりも少なく、プリント後はラフトやサポート材も剥がしやすいフィラメントです。
仕上がりも美しく、表面が滑らかで上質な造形を実現します。
また、スプールは市場から回収した廃棄ダンボールを原料としているため、環境にも優しいフィラメントとなっています。

PolyLite PC フィラメント

「PolyLite PC フィラメント」は、デスクトップFFF 3Dプリンター専用に設計されたポリカーボネートベースのフィラメントです。
優れたプリント品質と機械的強度、耐熱性を有し、適度なプリント温度と大きな反り抵抗を伴います。
良好な光学的透明性を持つため、造形物に魅力的でクリスタルのような輝きを与える点も特徴で、塗装せずともそのままで十分美しい造形物を提供します。

PolyMax PC フィラメント

「PolyMax PC フィラメント」は「PolyLite PC フィラメント」同様、デスクトップFFF 3Dプリンター専用に設計された、高度なポリカーボネートベースのフィラメントです。
高い3Dプリント品質、優れた衝撃強度と耐熱性に加え、耐衝撃性と破壊靭性を備えており、リバースエンジニアリングなどに最適なフィラメントと言えます。
また、美しく滑らかな表面を得るために容易に後処理することができる点もポイント。 造形後、サンドペーパーで磨くことで、射出成型品に匹敵する滑らかな表面を得ることが可能です。

フィラメントはメーカー純正品を使用したほうが良いのか

フィラメントはメーカー純正品を使用したほうが良いのか

「フィラメントはメーカーの純正品を使用しなければいけない」と思われがちですが、実はフィラメントメーカーが3Dプリンターを生産していることは少ない上、そもそも「純正フィラメント」というものが存在しない3Dプリンターも多いのです。

フィラメント選びが難航したらプロの手も借りよう

フィラメントはここでご紹介したもの以外にも、数えきれないほどの種類があります。
どのフィラメントが自社のニーズに合っているのか、どういったフィラメントなら、求める造形物を仕上げることができるのか、迷われる方も多いでしょう。 それに、「純正フィラメントが存在することのほうが珍しい」とはいえ、お使いの3Dプリンターと相性が良いフィラメント、そうではないフィラメントはあります。
フィラメント選びに迷われた際は、フィラメントメーカーや3Dプリンターメーカー、代理店などに問い合わせてみるのも一つの手です。

フィラメント選びでお悩みなら、日本3Dプリンター株式会社へご相談ください!

日本3Dプリンター株式会社では、世界トップメーカーの3Dプリンターを複数所有しており、実際に使用した経験から機種の特徴や、各造形方式に最適なフィラメントなどを把握しております。
「既存の3Dプリンターにはどういったフィラメントが相性が良いのか」「求める造形物を実現するためにはどういったフィラメントが最適なのか」あるいは、「これから3Dプリンターの導入を考えていて、そのプリンターと相性が良いフィラメントを探している」といった方に対して、3Dプリンターの選択からフィラメント選びのコンサルティングを行っております。
3Dプリンティングの知識はもちろん、フィラメントに関する知識も豊富に有する専任スタッフが、貴社に最適な3Dプリンターやフィラメントをご提案いたしますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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日本3Dプリンター編集部 BASFチーム

日本3Dプリンター株式会社では、3Dプリンターや3Dスキャナーの導入を検討している方向けに、3Dプリンター用フィラメントに関する最新の情報を発信していきます。

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