【PP・グラスファイバー】Forward AM Ultrafuse-PPGF 30造形レポート

【PP・グラスファイバー】Forward AM Ultrafuse-PPGF 30造形レポート

Ultrafuse-PPGF 30の特徴

Ultrafuse PPGF30は賞樹脂に30%のガラス短繊維を含有したエンジニアフィラメントになります。 PP本来の強度
と強度にグラスファイバーを含有したことでPPよりも形状安定性が向上し機械的な強度が得られています。

Raise3Dで造形を始める

PPGF30は耐薬品性と強度が優れている事から撹拌機など回転系に使うインペラーを造形していきます。

使用機種: Raise3D Pro2(販売終了)後継機:Raise3D Pro3 HS

メーカー推奨設定
温度:240~250℃
造形スピード:30~60㎜/s
ビルドプレート温度:20~40℃ ビルドプレート
の状態:PPテープピッチ
直径:0.6㎜以上のタング ステン強化前進ラフト
造形:無し

※PP系樹脂を造形する際の注意点
PPGF30はパナソニックUltrafuse®PPと同様、通常のビルドプレートでは樹脂が定着しない為、専用のPPシートをプリントベッドに張り付けてから造形する必要があります

  • サポートを必要とする造形物(サポートがくっついてしまう為)
  • エッジなどXY方向に突出する造形物(角はベッドとの接地面が少ない為、反り上がってしまう)

上記のような形状は接地面の広い方向に限って大きな反りが発生するなど造形に不向きな形状になります。

造形の開始

形状に適した形状は限界による負荷が均等にかかり、反りの影響が少ない円形をお勧めします。

今回造形するインペラーは大型の直径約160㎜の高さ67.5㎜に挑戦します。

造形している最中で外側の部分から不安の影響が出てきました。
PPシートから造形物が消えているのではなくPPシート自体、造形の限界によりビルドプレートから浮いてきている様子です

完成しました!

造形物がしっかり残っているのでPPシートを裂かないように慎重にスクレーパーを差し込んで剥がしていきます。

剥がした後の様子です。
PPシートとPPGF30の準備で剥がした際にテープ自体が浮いていて寂しくなりました。

表面仕上げはカーボン系樹脂に匹敵する印象です。
糸引きなどのバリも一応無しに綺麗です。
強度に関してもPP本来のしなりがある質感でフィンの部分に力を加えても割れる様子はありませんでした。

裏側はPPシートへ直に造形しているため、鏡面に近いツルツルした仕上がりになっています。

気になる造形の反りについてですが、わずかに円形の縁にあたる部分で限界による影響が見られます。
純正のPPでこのサイズを造形すると反りはさらに大きくなりますが、ガラス短繊維が入っているのでPP全体の限界が抑えられています。

他の造形にもチャレンジ

小さいサイズであればPPの造形は反りの影響も少ない為、手のひらサイズのスクリュー・ミキサーやパイプコネクションなどを造形してみました。

スクリュー部分直径が40㎜程度のビットドライバー
PPでは苦手とされる突出がある形状を造形してみましたが、思いついた反りは無く綺麗に造形できました。

ほぼ同じサイズのスパイラルスクリューですが、こちらも問題なく複雑なスパイラル形状もサポート無しで造形ができました。

大きさのある物を造形する際には、おそらく造形サイズがXY方向(前後左右)には小さく、Z方向(高さ)のある造形が先です。

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